JAMIROQUAI / Emergency On Planet Earth(’93)

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90年代に一世を風靡したジャミロクワイの1stアルバム。

アシッドジャズのムーブメントから世に出てきたジャミロクワイだが、いわゆるアシッドジャズと言われてしっくりくる音楽性なのは2ndくらいまでで、

過渡期的な3rd(「Virtual Insanity」収録)を挟み、以降はクラブ的な音作りになっていく。(6th以降また少し変わるけど)

3rdや4thは日本でも滅茶苦茶売れたようで、4thの「Synkronized」なんかは体感だけど全国のブックオフの特価コーナーに3枚ずつくらいあるんじゃないか?

そんなこんなで一時期あまりに売れすぎたことと、とにかく「Virtual Insanity」が有名すぎるせいで、今ではファン以外からは「あの人はいま」的な扱いになっているようにも感じるのが歯痒いところ。

 

で、この1stに話を戻すと、前述したようにこの頃は結構生音主体というかバンド感が強くて、黒人音楽由来のファンクネスと白人のポップ感覚が高次元で融合された、非常にクールな音楽になっている。

なんていうか、この1stとか2ndの頃はバランス感覚がいいんですよね。黒人音楽と白人音楽の取り合わせとか、バンドサウンドと電子音とかね。OP曲の「When You Gonna Learn?」のイントロとかカッコ良すぎるだろ。

作中には他にも「2.Too Young Too Die」「6.Emergency On Planet Earth」「8.Blow Your Mind」等強力なシングルを含んでいるが、それ以外の曲も素晴らしく、特にお気に入りは「4.If I Like It, I Do It」。爽やかな導入からしばらくは心地良いメロディが続くが、後半から壊れ出していく。他には10分を越える大作の「9.Revolution 1993」もいい。

1曲が割と長めで前述したように10分越えのものもあったり、ディジュリドゥというアボリジニの民族楽器(長い木製の笛のようなもの)の専任奏者がいたりと結構挑戦的な作品でもあるのが面白い。

ディジュリドゥなんてこれ以外ではMtG(カードゲーム)でしか聞いたことないぞ。全然関係ないけど。

最近ではお腹が出て中年体型になってしまったジェイ•ケイもデビュー当時はスタイルが良く、奇抜なファッションも相まってステージ映えは抜群だし、音楽の方はこのクオリティだし「そりゃ売れるよな」という感じ。

アシッドジャズと呼ばれるアーティストはこの頃他にも登場しているが他のグループはもっとジャズ寄りのイメージがあって、意外にジャミロクワイっぽい音楽性のアーティストっていないんですよね。特にこの1stや2ndの頃は割と唯一無二なスタイルだと思うので、聴いたことがない人はぜひお試しあれ。

とはいえジャミロクワイに関しては3rd以降も全然好きなので、そのうち他のアルバムについても書いていきたい。

 

↓はOP曲の「When You Gonna Learn?」の当時のライブ映像。

この映像ではそんなに踊らないけどフロントマンのジェイ•ケイは抜群にダンスが上手く、手の動きとかステージングひとつひとつがカッコいい。オープニングや感想でボエ〜ボエ〜してるのがディジュリドゥです。

https://youtu.be/tc0SG6hRr9o?si=IGJFRJ00eEd7FFdM